庄内5号(中晩生茶豆)

野口種苗

【特徴】江戸時代から山形庄内地方に受け継がれた伝統品種。JA鶴岡市が茶豆を市場出荷する為に品種統一を行った系統。庄内系の中でこれのみが紫花。晩生茶豆の代表品種。莢はくびれ強く見栄えはよくないがアミノ酸、糖質が多く美味。「だだちゃ豆」の名はJA鶴岡が商標登録している。特に味にこだわったことで糖質(蔗糖)が高く種子はシワ種で甘い香りが辺り一面に漂い、露の甘味を味わうことが出来る。庄内5号の系統では草勢が穏やかで莢付きも比較的良く安定した収量が望める。

【用途】9月上旬頃収穫の枝豆(完熟した大豆は糖質が抜けるためシワ種が多く、加工用途には不向き)。

【播種】直播きは6月上旬~下旬(早播きすると蔓化し易い)。点播。発芽適温 25℃~30℃。過剰灌水すると地温が下がり発芽力が落ちる。糖質(蔗糖)の高いシワ種系統のため発芽に関しては障害を受け易くセルトレー等で育苗し育苗栽培をすべき。覆土:発芽まで地温と水分が保持できるよう3cmぐらい。

【栽培】生育適温25℃前後。枝豆すべて酸性土を嫌うのでカキ殼石灰などで中和する。肥沃地は過剰繁茂して実付きが悪い。発芽直後の鳥害(本葉が出るまで)と夏の虫害(特にカメムシ)に注意。35℃を超える高温になると受粉しにくいので、冷涼地以外では、6月下旬~7月上旬にまいて開花期を9月中旬以後にずらすと良い。

【収穫】【つる新種苗情報:播種後90~93日】。庄内地方では8月下旬から9月上旬。

【採種】枝豆として収穫せず、完熟させて豆(大豆)として収穫する。マメ科作物は自家受粉性なので交雑しにくい。

【種子の性質】種子寿命:豆類は短命種子が多い。常温1、2年と思うのが妥当。休眠:ない。保存法:充分乾燥し、お茶の缶に入れ低温低湿度で保存する。