鶴首かぼちゃ

【特長】07年3月合併号掲載。日本カボチャの一種。終戦前後の食糧難時代に西日本を中心によく作られていたらしい。中国から渡来した説、アメリカ大陸から渡来した説などあり。独特の果形。棒状(長さ60〜80cm、太さ13cm前後)で、彎曲するもの多く、末端の膨らんでいるところに種がある。他の部分は果肉がしっかり入っていて調理しやすい。果実が大きくならないうちに株が弱ってくると、名前通り首が細く、鶴のようになる。ヘチマに似ているので別名ヘチマカボチャとも呼ばれる。重さ3〜4kg。見た目より重く、食べ応えあり。皮の色は生育途中は緑色、完熟してくると橙色。果肉も橙色。ねっとりし、甘い。播種や育苗は、ほかのカボチャと同じ。
【播種】3月下旬〜4月上旬。千葉県佐倉市では4月上旬にハウス播種。
【定植】ポット育苗後、5月上旬定植。施肥は、有機農業で堆肥が入っている畑なら、やらないか、入れても少し。他のカボチャに比べて生育旺盛なので、植え付け間隔は2倍〜3倍広く、畝間250cm、株間150cmとる。
【栽培】本葉5〜6枚で摘芯後は、整枝、誘引など不要。放任で丈夫に育つ。作りやすく、痩せ地に向くか。
【収穫】晩生で生育旺盛、短日条件にならないと雌花が着きにくいので、夏至までは枝葉がどんどん伸びる。その後実がなり、収穫は9〜10月。収穫が遅れると裂果するので、皮の色が橙色になったら順次収穫。1株から7〜8本ほど収穫可。貯蔵性に優れ、翌年2月まで保存可。
【採種】西洋カボチャや雑種カボチャとは花の時期がずれるので、採種に袋かけなどの特別な作業は不要。完熟したものから種を採れば、翌年使える。
【調理方法】他の日本カボチャ同様、皮が硬いのでむいて使う。煮付けにする場合、柔らかくなりすぎるので、煮過ぎに注意。甘み強く砂糖不要。生でサラダの彩り、味噌漬、糠漬けも美味。
【出典】林重孝(千葉県佐倉市)「種から育てよう51」,日有研『土と健康』2007年3月号,No.387,p.25.
【価格】7粒/300円(日有研)