東京南瓜

野口種苗
【特長】1934年に宮城の渡辺採種場が育成した日本で最初の西洋南瓜。立川の農家が東京市場に出荷して人気を呼び東京南瓜と呼ばれた。育成元が付けた正式な品種名は「芳香青皮栗南瓜(ほうこうあおかわくりかぼちゃ)」。従来の粘質な日本南瓜と異なる、ホクホクした食味の西洋(栗)南瓜の日本での元祖。草勢強く、灰緑色扁円で1.2〜1.5kgの中果。果肉は鮮橙黄色。ホクホクの肉質と甘味を生かした煮物や天ぷらなど。
【播種】床播きで3月中旬、ポリキャップ直播きは4月中旬頃〜5月。畝間3m、株間1mに数粒ずつ点播。覆土は2、3cm。カボチャ種子は嫌光性なので確実に覆土する。
【収穫】夏。開花後30日ぐらいで完熟する早熟性(通常は45〜50日)。果梗部がコルク化し、亀裂が果梗全体に入った時が収穫適期。
【栽培】西洋南瓜は根の再生力が弱く移植しにくいので、4月中旬頃にポリキャップで覆い直播き栽培で育てると良い。西洋南瓜は一般に冷涼地を好むが、東京南瓜は中間地や暖地でも栽培可。ただ30度以上の高温は好まない。主枝に着果し分枝力も弱いので剪定せず放任栽培で育てる。肥料は控えめに。
【採種】西洋南瓜どうしや日本南瓜とはよく交雑するがペポカボチャとは交雑しない。カボチャの花粉は高温に弱く、25度以上で死んでしまうので朝のうちに同品種を交配してやる。1、2年なら室内の引出し等保存でよい。冷蔵庫なら寿命が伸びる
【種子の性質】種子寿命は低温乾燥環境なら3〜10年(やや長命な部類)。採種後2週間程度弱い休眠期があるという。